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平成29年10月6日~10月9日
大和修験會 平成丁酉冨嶽両界峯入修行

一般参加:(40代 女性)

白み始めた空、目の前には一面に広がる雲海。
その彼方、蒼い雲を押し分けて太陽が昇ってきます。
會長に連れられ、ようやくたどり着きました。
ここは、7合目の辺りでしょうか。
キラキラと広がる光の輪が、山と私たちを、やわらかく包んでくれます。
蒼からオレンジへ変色する世界で、般若心経を唱えました。
朝日に向かい、一心不乱に!
こんな蒼を、私は知りません。
こんなオレンジの光を、見たことがありません。
気が付くと、私は泣いていました。
富士山が世界遺産になって3年、ずっと登りたいと思ってきました。
機会なく時が過ぎて今春、ある方から宮元會長をご紹介いただきました。
でも、修行場として日本一の富士山、私のような一般人が参加出来るのか?
性別の問題は?
体力は持つのか?
電話で事情を伺ったところ、會長ご自身が気さくに対応してくださいました。
大変ありがたく、ならば行ってみようと決意した次第。

麓(田子の浦)から登り始めて3日目、地下足袋はもうボロボロです。
初日に、先ず降り止まぬシトシト雨が歓迎してくれました。
次いで2日目の岩谷不動尊、私の法螺貝が、吹こうとした途端に破損。
富士という霊界に足を踏み入れた証しだったのでしょうか・・・
「身代わりになってくれましたね」とは、會長のお言葉。

さて、ご来光を仰いだ後の話です。
山での修行に多少なり自信のあった私ですが、打ち砕かれました。
空気の薄さのせいか、8合目あたりで息が上がり、前へ進めませんでした。
無論、山念仏も唱えられません。
頂上への到着は、最後尾になってしまいました。

精進湖を目指した最終日、私の足裏は皮がむけ水ぶくれ状態でした。
痛みがしみる一歩一歩でしたが、テーピングを施してもらい、少しは楽に。
意外だったのは、樹海の土です。
とても優しく、私の身体と心を癒してくれました。
ただ、木漏れ日のスポットライトを浴びるはずの鳥の姿が見えません。
樹海は、やはり魔境?
私以外の人たちの耳に、彼らの鳴き声ぐらいは聞こえていたのでしょうか。
やがてたどり着いたゴール、精進瑚は美しい銀色に輝いていました。

湖面を想いだし般若心経を唱えると、胸がいっぱいになります。
足が止まって心配をかけたことや、テーピングや手荷物のサポート等々。
皆様の優しさに、たくさん甘えてしまいました。
一方で、叱咤激励や課題も多く賜りました。
そのすべてが、会社勤めの私には経験出来ないことばかり。
かけがえのない時間を、ありがとうございました。
精進し、来年も参加したいと存じます。