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住職 宮元隆誠


 

『四国御中道修行記 』

熊本大学 3 年 宮元 昭桂理

<1日目>

ドーンという強い迫力のある波の音で始まった。水垢離である。去年参加した富士山の修行を思い出す。自分がまたこうして新たな修行に参加できることが何より嬉しかった。自分よりも背の高い波が来る。飲み込まれるのではないかという恐怖心のもと、皆が無事に修行を終えられますようにとお経を唱えた。
天気は予報では雨だったが、幸いに曇りだった。とても気持ちの良い朝の新鮮な風を浴びながら歩いて行く。初めは余裕ぶっていた。しかし、だんだんと足のこと、体力のこと、トイレのことが心配になってくる。というのも、修行は個人との戦いでもあるが同時に団体戦でもあるからである。皆のペースに合わせて、皆の体調も気にかけながら歩かなければならない。自分が遅れると、周りの皆に迷惑をかけることになる。修行とは我慢との戦いでもあるのだ。去年の過酷な富士山の修行を忘れていた。日頃の運動不足からか、初日より足を痛めてしまったのである。周りの皆に遅れを取り、迷惑をかけてしまった。また同じことが繰り返し起こるのではないかと不安だった。あの時の焦りと辛さをずっと忘れないようにして生きていこうと強く心の中で誓ったのだが、すっかり忘れてしまっていたため、自分の無念さに気付かされた。人間は日が経つと忘れる生き物であるということを実感した。また、トイレに行きたいと思ったときに周りにトイレがない。あるとしても 5 キロ先、10 キロ先ということが修行中は当たり前であるため一番辛かった。時には、日常がどんなに便利で過ごしやすいものなのかと、私たちにとっての当たり前の日常から一旦離れて、抜け出して、今の社会や自分を見つめ直すことが重要であるということに気付かされた。
歩いていると、普段は出会うことのない生き物たちに焦点がいく。サワガニやヒキガエル、鶯などじっくりと観察することができた。特に、鶯の美しい鳴き声は我々の疲れ切った身体に癒しを与えてくれた。高知県の川や海、山の景色はとても綺麗で自然の壮大さに魅了された。歩きながら色々なことを考える。これからの人生について、新たな目標設定、頑張りたいこと、挑戦してみたいこと、今年から行くイギリス留学についてなど考えれば考えるほどワクワクが止まらなかった。普段は大学の授業や課題、資格取得の勉強に追われていて今の自分と向き合う時間があまりないため、自分と対話することがどんなに楽しいかということを思い知る有意義な時間になった。
そう考えていると前から大きなトラックが何台も来た。少しでも油断すると死に至る。
毎日は奇跡でできている。今があるのも、色んな縁で結ばれているからである。自分の友達、家族、これから出会う人も何かしらの理由、縁があってのことである。そのようなことを考えながらまた歩き続けた。午後 8 時前、川又屋旅館に到着。(42.16 q)

<2 日目>

4 時 20 分起床。朝の準備で旅館の二階が騒がしくなってきた。昨日の大雨でびしょびしょに濡れたはずの鈴懸がからっからに乾いていた。なんと旅館のおかみさんが皆の分を洗濯して乾燥機に入れて下さっていたのである。とても感謝の気持ちでいっぱいだった。また、おかみさんたちは我々の朝食、昼食まで用意してくださって、一睡もしていないだろうと思われる。そのようなおかみさんの優しい人柄というものは顔にしっかりと表れていた。この旅館の口コミサイトからも分かるとおり、訪れる客一人一人に最高なおもてなしをされているのだなと思った。私もおかみさんのように優しくて、広い心を持ち皆に女神のような対応ができる人になりたいと思った。
ふくらはぎの痛みを感じる。右足が思うように持ち上がらない。低い段差でさえ登るのがきつくなってきた。まだ 2 日目が始まったばかりである。昨日1日で 40 キロ歩いたのだから仕方がないと思いつつもまだ残り 120 キロ。限界まで頑張りたいと思った。
周りを見渡しても平気そうに歩いていて、弱音を吐いていない。そう、これはただのウォーキングではなく修行なのである。無言で黙々と歩いて行く。散歩好きで 5、6 キロ余裕で歩く私ですら 1 キロがすごく遠く感じた。無言で一列になって歩き、自分の足元との睨めっこである。強い日差しが照りつけ、喉はカラカラで汗が滝のように身体を伝って流れて行くのが分かる。また、仁淀ブルーで有名な仁淀川沿いを歩いているため飛び込みたいという気持ちでいっぱいだった。
トンネルに入っていく。初めて長いトンネルの中を歩いた。1.5 キロの道のりである。
とてもひんやりとしていて涼しかった。楽園のようだった。頭に装着するライトのみで歩いているため、車からしっかりと私たちの姿が見えているか心配だった。
本日のラストスパートは急な坂道である。体力を消耗しつつある私には、1 キロがとにかく長く感じられた。足が痛くなっても、自分に代わってくれる人は誰もいない。「自分」はこの世に 1 人しか存在しない。弱音を吐いても誰も助けてくれない。助けてくれるのは自分の根性だけである。まだ足が前に出るだけで嬉しかった。そう考えているうちに最終地点に到着。午後 7 時過ぎであった。自分に勝ったと思い、誇らしかった。(43.8km)

<3 日目>

折り返し地点に突入!今日は朝から特別に緊張していた。というのは、今日は子持権現山に鎖を伝って登るからである。写真を見ても分かる通り、斜面はとても急で命綱無しである。まずはいくつかの山を越える。歩いているうちに足の痛みを感じなくなっていることに気づいた。これは地面がアスファルトではないからなのか理由が分からなかったが、悟ったことがある。それは、「どんなに辛くて過酷で絶対自分にはできないと思ったことでもそれを続けることで、その状況、状態がやがて自分にとって当たり前になり苦に感じなくなる」ということである。このことは勉学においても仕事においても何にでも当てはまることであると思った。これからはこの悟りを忘れずに生きていきたいと思う。そうすることで、大きな悩みや壁のハードルが下がり、乗り越えることが可能になるであろう。
さて、ようやく子持権現山が見えてきた。そろそろである。想像をはるかに超えていて、足が震えているのが分かった。谷幹事長の後に続きゆっくりと斜度 75 度の鎖場を登っていく。できるだけ、幹事長と同じ足の運び方や足元の選び方に気をつけた。また、少しでも足を滑らせてしまうと、尖った石ころが下に落ちて行き、後ろを続く人たちに大怪我をさせてしまう恐れがある為、十分に注意を払う必要があった。まさに命懸けである。心の中でお経を唱えながら自分を信じて登った。
無事に皆怪我をすることなく山頂に辿り着いた。私たちの安全を見守って下さった山の神様のおかげであると思った。山頂からは素晴らしく透き通った景色が広がっていた。
思わず見とれてしまった。
山を降りた。次は今日の宿に向けて歩いて行く。今日一番の心配どころであった鎖場を終えてホッとし、安堵感に包まれていた。本当の意味での「命懸け」が分かった気がした。午後 8 時過ぎに土小屋国民宿舎に到着した。(34.9km)

<4 日目>

午前 2 時起床。この修行の目的地である石鎚山山頂に向けて暗闇の中を歩き続ける。
強い眠気と疲労感で最後まで体力が持つかどうか、無事に満行できるかどうかが心配だった。周りからは無理しないようにと言われ続けてきたが、止めるわけにはいかなかった。辞退したくなかった。もうここまで来たからだ。自分はそう簡単に諦める人間ではないということを周りの方には勿論、自分に証明したかった。まずは御来光を浴びる。
こんなに良い天気に恵まれ、最後の日を迎えられたことに感謝した。お経を唱えて、今日もやり切るぞという気持ちでいっぱいになった。
昨日と同様鎖場を登る。迫力は子持権現山よりかはなかったが、難易度はかなり高かった。背が低い私は、足が短いため鎖の輪に足が届かないところがいくつかあった。手汗で手も滑りそうになって怖かった。
ようやく石鎚山が見えてきた。正直驚いた。こんなところを歩けるのかと疑ってしまうほど道幅が狭く、滑り落ちてしまいそうだったからである。一歩一歩を慎重に進んで行った。下を見るのが怖かった。私は何も手に持っておらず、万全な状態であったが、会長をはじめ他の修行者は、旗や法螺貝など欠かさず手に持っておられたため、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいだった。今の私にはそんな余裕はなく無理だと思った。やはり、こういうのは長年の修行を積まないとできないことであるかのように感じた。
山頂はとても狭かった。私が今までに登ったことのある山の中でおそらく一番急で狭かったと思う。みんなでお経を唱えた。唱えている間も横に落ちてしまわないかどうか心配だった。
山を降り始める。駆け足で龍神社を目指した。残り 17 キロである。足ももう限界を迎えてきていた。しかし、海が見えてくると周りの雰囲気も自分も一気に表情が明るくなったのが分かった。ゴールが微かに見えていたのである。あとは無心で歩いた。
龍神社が見えてきた。もうすぐで満行できると思うととても嬉しかった。自分の頑張りを褒め称えたかった。龍神社の前では、私たちの修行を全力でサポートしてくださった方々がお出迎えしていた。この修行は、彼らなしでは成り立たなかったも同然である。
そう思うと胸がとても熱くなった。有難うございました。龍神社に午後 4 時 40 分に到着。(39.85km) 無事に満行。4 日間計 160km。

<四国御中道修行を終えて>

この修行で、私は心も身体も成長したと胸を張って言うことができる。4 日間という短い期間ではあったが、色々と普段では学べないことを経験させてもらった。日頃の「当たり前」を当たり前であると思うことは間違いであるということに気付かされ、日常に十分感謝して生きていかなければならないのだと強く実感した。学業や仕事で慌ただしい日々を送っている我々は、ほんの少しだけでも時間を作り、自然に身を置いてみる必要があると思った。そうすることで、心に癒しを与えリラックスでき、何か新しい発見ができるのではないかと思う。
今回、我々の活動を見守ってくださった方々、応援してくださった方々に感謝を申し上げたい。
合掌。



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